再エネ賦課金って何?なぜ勝手に上がるのか、そして減らせる部分はどこか
2026年9月8日・ためてこ編集部
電気の検針票に、頼んだ覚えのない項目があります。
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」。長い。しかも年度ごとに見直され、2026年度は前年度より上がっています。使った覚えがないのに請求されている感じがして、正直あまり気分のいい欄ではありません。
これが何で、なぜ上がるのか。そして電力会社を乗り換えれば消えるのか——結論から言うと消えません。ただ、家計側で削れる部分はひとつだけあります。そこまで正直に書きます。
この記事の結論
再エネ賦課金は再エネの買取費用を、電気を使う全員で分担する国の制度。単価は国が決める全国一律で、2026年度は4.18円/kWh(経産省が2026年3月19日に公表・2025年度は3.98円)。電力会社を変えても単価は1円も変わりません。削れるのは単価ではなく「使用量(kWh)」だけ。だから怒るより、賦課金以外の削れる部分(電力プラン・固定費)を取りに行くほうが合理的です。
そもそも何を払わされているのか
仕組みはシンプルです。
- 国が「再エネで発電した電気は、電力会社が一定価格で買い取る」というルールを作った(FIT=固定価格買取制度)。
- その買取価格は、電気の市場価格より高い。差額が出る。
- その差額を、電気を使う人全員で少しずつ負担する——これが再エネ賦課金。
つまり「太陽光や風力を普及させるための費用を、電気代に上乗せして全員で割り勘している」状態です。太陽光パネルを載せている家も、電力会社から電気を買えば、その使用量に応じて賦課金を負担します。一方、住宅用太陽光(10kW未満)は自家消費した後の余剰電力が買取対象です。設置している家は受け取る側、設置していない家は払う側、と単純に分けられる仕組みではありません。
いくら払っているのか(自分の負担額の出し方)
計算は掛け算だけです。
再エネ賦課金 = 単価(円/kWh)× その月の使用量(kWh)
2026年度の単価は 4.18円/kWh。月の使用量を当てはめると、こうなります。
| 月の使用量 | 世帯イメージ | 月の賦課金(4.18円/kWh) | 年換算 |
|---|---|---|---|
| 200kWh | 一人暮らし | 約836円 | 約10,032円 |
| 300kWh | 二人暮らし | 約1,254円 | 約15,048円 |
| 400kWh | ファミリー | 約1,672円 | 約20,064円 |
| 500kWh | オール電化など | 約2,090円 | 約25,080円 |
※単価4.18円/kWhで計算した目安。実際の請求額は検針票の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」欄で確認できます。
年2万円前後。気づかないうちに払っている額としては、わりと大きいです。
なぜ年度ごとに変わるのか
単価の決まり方は「国(経済産業大臣)が毎年度決める・全国一律」。2026年度は4.18円/kWhで、2025年度の3.98円から0.2円上がり、初めて4円台になりました。
2026年度に前年度から上がった背景は、ざっくり2つです。
- 再エネの導入状況などが算定に反映される:2026年度から運転開始する設備や、再エネ予測誤差に対応する調整力の確保費用などが考慮されます。
- 卸電力市場価格などを踏まえた「回避可能費用」が変わる:この費用が小さくなると、買取費用などを賦課金でまかなう分が大きくなります。
単価は毎年度の導入状況や市場価格などで変わるため、上がる・下がるを固定的には言えません。
電力会社を乗り換えても消えない(ここ重要)
ここが一番の誤解ポイントです。
| 電気代の中身 | 乗り換えで変わる? |
|---|---|
| 基本料金・電力量料金(プラン部分) | ◎ 変わる(ここが削りどころ) |
| 燃料費調整額 | △ 会社により算定が違うことはある |
| 再エネ賦課金 | ✕ 変わらない(全国一律・国が決定) |
「新電力に変えれば賦課金が安くなる」という説明があったら、それは正確ではありません。賦課金の単価はどの会社でも同じです。逆に言えば、電気代を下げたいなら賦課金以外(プラン部分)を狙うしかない——これがこの記事の実用的な結論です。
それでも家計側で削れる部分(そのままどうぞ)
単価は動かせない。動かせるのは掛け算のもう一方=使用量(kWh)だけです。順番に効く順で書きます。
- まず電力プランを見直す(賦課金は減らないが、電気代全体では一番効く)。同じ使用量でも基本料金・単価が違えば請求は変わります。
- 使用量そのものを削る:賦課金は使用量に比例するので、kWhが減れば賦課金も自動的に減ります。エアコンの設定・待機電力・古い家電の更新など、王道が効きます。
- 検針票で自分の負担額を1回だけ確認する:「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の欄を見る。年2万円級だと分かると、優先順位が変わります。
- 太陽光を載せている家は購入電力量が減る分、賦課金も減る:賦課金は電力会社から買った電力量にかかるためです。ただし設備投資が要る話なので、誰にでも勧められる手ではありません(回収年数を必ず試算してから)。
まとめ:怒っても下がらない項目は、優先度を下げる
再エネ賦課金は、国が決める全国一律の費用で、個人の努力や乗り換えでは単価を1円も動かせません。ここに時間を使うより、実際に動かせる部分(電力プラン・固定費)を先に片づけるほうが、家計には早く効きます。
- 単価:国が毎年度決めるため、電力会社の乗り換えでは変わらない
- 家計側で見直せる部分:電力プランと使用量
電力会社を実際に5社比べて、月9,341円下げた過程はこちらにまとめています。賦課金は動かせなくても、プラン部分はここまで動きます。
👉 オクトパスエナジーはハピタス経由が得?個人が月9,341円下げた実例
出典:経済産業省「2026年度の賦課金単価」(2026年3月19日公表)および資源エネルギー庁「制度の概要」(2026年9月11日確認)。2026年度の単価は4.18円/kWh(2025年度は3.98円/kWh)で、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。太陽光の余剰電力の扱いを上記の一次資料で確認し、設置世帯も購入電力量に応じて賦課金を負担することが分かるよう本文を補正しました。また、単価は毎年度設定され、必ず上がるわけではないことを確認したため、「毎年上がる」とは断定しない表現に修正しました。単価は毎年度改定されるため、最新は資源エネルギー庁および各電力会社の公式情報でご確認ください。